ノロウイルスによる感染性胃腸炎が多発ノロウイルス(Norovirus)は、非細菌性急性胃腸炎を引き起こすウイルスの一種です。 カキなどの貝類による食中毒の原因になるほか、感染したヒトの糞便や嘔吐物、あるいはそれらが乾燥したものから出る塵埃を介して経口感染します。
ノロウイルスによる集団感染は世界各地の学校やホテルなどで散発的に発生しています。日本ではこの冬各地で集団感染が多く発生しており、対策が急がれます。
感染性胃腸炎
感染性胃腸炎という診断名は様々な原因による症候群であり、ウイルスや細菌によるもののほか、寄生虫によるものもあります。
冬季に発生する感染性胃腸炎のほとんどがウイルスによる胃腸炎です。
この冬の発生の原因ウイルスは、ノロウイルスです。
例年初冬から増加し始め12月頃にピークとなります。
食品から病原体が検出された場合などは食中毒となります。
学校、保育園、社会福祉施設など集団生活をする施設で発生した場合は、集団感染になることがあります。
ノロウイルスによる急性胃腸炎の主な症状は、下痢、嘔吐、腹痛や軽度の発熱がみられる場合とさまざまで、症状の程度にも個人差があります。
37〜38℃の発熱がみられることもありが、通常は2〜3日ほどで回復します。
乳幼児や高齢者、体が弱っている人などは嘔吐や下痢、発熱で脱水症状を示すこともあるので注意が必要です。
ノロウイルスはウイルスが口から入ることにより感染します。
感染経路は
●人から人への感染
患者の便や吐物に含まれるウイルスが手、あるいは手で触れたものを介して口に入り感染します。(空気中に舞い上がったウイルスによる感染もあるとされています)
●汚染された水、食品からの感染
ウイルスに汚染された食物や水を食べたり、飲んだりして感染します。
症状が消えた後も3〜4日、長い場合は1〜2週間程も便にウイルスが排出されるので、感染予防上の注意が必要です。
予防のポイント
1カキなどの二枚貝は中心部までよく加熱してから食べること。
食品の中心温度85度以上で1分間以上の加熱を行えば、感染性はなくなるとされてい ます。
2 生鮮食品(野菜、果物など)は十分に洗浄すること。
3 トイレの後、調理をする際、食事の前には石鹸と流水でよく手を洗いましょう。
4 手洗いの後、使用するタオル等は清潔なものを使用し共用を避けることも必要です。5 感染者の便、おう吐物には接触しない。
接触した場合は十分な洗浄と消毒を行うようにしましょう 。
6 おう吐物や、ふん便で汚れた衣類等を片付けるときは、なるべくビニール手袋、マス クなどを用いましょう。
7 おう吐物や、ふん便で汚れた衣類等は他の衣類とは分けて洗いましょう。
8 おう吐物などを片付けた用具、雑巾類は、塩素系漂白剤でつけ置き洗いをしましょう9 おう吐物などで汚れた床は、塩素系漂白剤を含ませた布で被い、しばらくそのまま放 置して消毒しましょう。
10 物の片づけが終わったら、よく手を洗い、うがいを励行しましょう。
ノロウイルスに関するQ&A (厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/dl/040204-1.pdf
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