バランスの良い食生活が「がん」予防に
日本人の死亡原因の1位となっているのは「がん」です。
「がん」とは悪性の腫瘍のことです。
体をつくっているほとんどの組織では、常に新しい細胞がつくられ、古くなった細胞が消え去ることでいきいきとした体を保っています。
これに対し、古くなった細胞が消え去らずに自分かってに増殖する組織を腫瘍といいます。
悪性とは病理学的に診断されるもので、顕微鏡で見たときの細胞のかたちや組織の構造により診断されます。
臨床的には、ほかの臓器に飛び火(転移)する可能性をもった腫瘍が悪性の典型例といえます。
私たちの身体は、それぞれ固有の働きをする臓器固有細胞とそれを支持する組織からなりたっています.
基本的にすべての臓器・組織に悪性腫瘍は発生します。
がんの内訳を見ると、塩分の取りすぎを控える食事指導の浸透により、胃がんは減少傾向にあります。
しかし,大腸がんと肺がんと乳がんは増加傾向にあります。
肺ガンはタバコの喫煙と深い関係があり、大腸がんや乳がんは動物性脂肪の取りすぎ、食物繊維の不足が深く関わっています。
これまでの研究から、がんの原因の多くは、たばこや飲酒、食事などの日常の生活習慣に関わるものだとわかっています。
1996年に、ハーバード大学のがん予防センターから発表された米国人のがん死亡の原因では、喫煙(30%)、食事(30%)、運動不足(5%)、飲酒(3%)の合計で全体の68%になりました。
これらのがん死亡は、生活習慣の見直しによって予防できたものと考えられます。
すなわち、禁煙と食事の改善でがんのリスクは大幅に減らせます。 がんを防ぐ為の12け条(国立がんセンター)
http://ganjoho.ncc.go.jp/pub/prevention_screening/010101.html
がん予防12カ条(国立がんセンター)
1.偏食しないバランスのとれた栄養
2.同じものばかりくり返し食べない
3.食べすぎない
4.深酒しない、アルコール度数の高い酒をストレートで飲まない
5.たばこは少なく
6.適量のビタミンA、C、E、繊維を多く
7.塩辛いものを多量にとらない、あまり熱いものはとらない
8.ひどく焦げた部分は食べない
9.カビの生えたものは食べない
10.過度に日光に当たらない
11.過労を避ける
12.からだを清潔に
発ガン作用を起こす商品がある一方、がん予防の働きを持つものもあります。
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEには、発がんを防ぐはたらきもあることが知られています。
また、野菜などに含まれる繊維質にも、同じような効果があります。
最近では調理済み食品の利用が高まり、材料の種類も限られるせいか、栄養の面でかなりのアンバランスをきたしていることが、国民栄養調査の結果にもでています。
脂肪の摂取は昭和30年当時の約3倍に増える一方、食べる野菜の量は少なくなってきています。
ほうれんそうのおひたし、きんぴらごぼう、かぼちゃの煮物など、野菜料理や緑茶、海藻などをどんどん食卓に加えてバランスのとれた食生活をすることが、がん予防につながるのです。
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